雑談– category –
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この地球のどこかで
私の通っていた中学校では、年に1度、合唱コンクールと呼ばれる行事があった。 1年から3年までの全生徒が参加し、クラス単位で合唱の練習を重ね、地元の文化会館の大ホールで披露する。 ピアノと指揮者もクラスから出し、本番までに何百回も合わせるのだ。... -
飲みたくもない酒
細いグラスに注いだレモンサワーをチュピチュピと飲み進める。 その姿はスポロンを飲む少女のようである。それでいてちっとも愛らしくないのだから絶望だ。 グビグビ飲むほどもう酒を欲してはいないのだが、風呂に入り眠りにつくのももったいない。 だから... -
整髪料がめんどい
初めて整髪料を買ったのは、おそらく中1の時だ。 年でいうと2004年。 UNOかGATSBYのヘアワックスを、マツキヨあたりで買ったはずだ。 当時はドラマ「ごくせん」などの影響もあり、不良ファッションが流行し、みんな髪を逆立てていた。 分かりやすく言えば... -
疲れ果てた
心身ともに疲れた。 疲れないわけがない。 わずか9カ月足らずの間に、両親ともに他界したのだから。 それも2人とも突然死。何の心の準備もなかった。 酒におぼれた暮らしをしていた父親はともかく、お母さんがもういないなんて信じられない。 ◇ お母さんが... -
居心地が悪い、どこもかしこも
一歩外に出ると、自分がここにいていいのか、いつも確証が持てない。 たとえば知人5人でいるとき、「自分以外の4人で話したいのではないか」という卑屈な考えが頭の中を埋め尽くし、なんとなくその場を離れてしまう。 仮に私が立ち去った後に、私の悪口で... -
わが古里
川を訪れた。 古里の川を。 幼いころから魚を追いかけた、関東随一の清流である。 いつ来ても美しい場所だ。 犬も一緒。 前回ここを訪れたのは3月の終わり、いや4月の頭だった。その頃はちょうどソメイヨシノが花を咲かせ始めたころだった。 およそ半年ぶ... -
ずっと“他人”でいましょうよ
最近、私は街の公園に出没している。 芝生の広場があるだけの小さな公園には、犬連れの人たちが集い、私も毎日その輪に解けこんでいる。 とっても居心地がいい。 毎日顔を合わせるのに、名前も職業も住所も知らない人たち。 親しい他人というのはとっても... -
30年の友情が終わった日
タイトルの通り、30年を超える付き合いがあった友人と絶縁した。 この友人を仮に宏之としよう。 宏之とは幼稚園の年少で出会い、34歳まで交流が続いた。 小・中学校は同じ野球部で、会えば当時の思い出話は尽きることがない。 高校からは別だったが付き合... -
人生は絶縁の繰り返し
能動的であるかどうかはさておき、人生は絶縁の繰り返しだと思うようになりました。 今日笑いあった人と、もう二度と会うこともないかもしれないのです。 携帯電話やスマホの登場でそういう感覚が薄くなりましたが、本質的にはそうなのだと思います。 ◇ 今... -
秋の風と暮らし
最近、引っ越した。 4階のベランダからは小川が見える。 水は透き通り、川底では水草が揺れている。 せせらぎを聞きながら、私はベランダに洗濯物を干す。 タオルやシャツを手に取り、パンパンと音を立てて伸ばし、竿にかけていく。 竿に隙間なくピッシリ...