いつも行く公園には小さな川が流れている。
川幅は5~6メートルほど。
ゆったりとした川の流れ。ヒラヒラと舞い降りた一枚の枯れ葉がその水面にのり、川を下り始める。
ゆらりゆらり、優雅に揺られる枯れ葉だが、しばらくすると流れが強さを増す。
両岸が突き出し、幅が1メートルほどに狭まる区間があるからである。
その流れに差し掛かると、枯れ葉は一気に加速する。
自分の意思とは関係なく、枯れ葉は猛スピードで川下へと流されていく。
私はこの光景を見て、人生みたいだなと思った。
自分の能力や行動とは関係なく、環境によって自分の生きる速度が否応なく変えられてしまう。
「何者かになりたい」ともがく退屈な日々が突然に刺激に満ちるともいえるし、「この日々が続いてほしい」と願う平和な日々が突如崩壊するともいえる。
一枚の枯れ葉は、激流に負け、川底へと沈んだ。
そして、別の枯れ葉がスイスイと追い抜いて行った。
沈んだ枯れ葉と、沈まず進んだ枯れ葉を分けたものは、小さな1滴の水しぶきだったかもしれない。
それもまた人生に似ていると思った。


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