inukawatama– Author –
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仰々しい愛情なんていらない
爆睡している私の横で、犬も爆睡していたらしい。 自分が寝ている時の犬の姿というのは普段あまり目にする機会がないが、とても安心している様子である。 普段、よい飼い主でありたいと思うがあまり自己嫌悪になることも少なくないが、特別なことをしてあ... -
反省はするな、将来を考えるな
日本人は「反省」と「将来」が好きな人種である。 >反省しなさい とか >将来のことを考えなさい なんて言葉は、学校の先生が放つ説教の定番である。 しかし、反省も将来の展望も無用である。いや、それどころか有害である。 変えられぬ過去を振り返る「... -
“元気だったあの人”の訃報に、胸がざわつく年齢になった
子どものころ、テレビで見る訃報には、何の感慨もなかった。 80歳の俳優が亡くなったとしても、「老人が死んだ」というだけだった。 それは、その人の若かりし姿を知らないからである。 子どもには、時の流れというものが実感として分からないのだ。 ◇ 私... -
視界が欠け、頭がえぐられた日 中学生の僕を襲った痛み
中学1年のころだった。 学校で突然、右目の視界が一部欠けた。見えるはずの景色の一部がぽっかりと欠けている。 友人の顔を見ると、友人の顔の右上が丸っと欠けている。 不思議な体験だった。本当に視界の一部が見事に失われているのだ。 ChatGPTに作らせ... -
ホーホホッホホー
「ホーホホッホホー」と鳴く鳥がいる。 しかしこの鳥は地域によって鳴き方が微妙に異なるそうだ。 大分出身の友人は「ホーホーホッホーだ」などと主張していた。 「いいや、ホーホホッホホーだ」と譲らない私。 なぜか「ホーホーホッホーだ」とさらに譲ら... -
蚊に刺される才能
私は異常に蚊に刺されやすい体質である。 ちなみに血液型はB型。男性。やや肌はオイリーで、暑がりである。 中学生のころ、林の近くで友人3人と雑談をしていたら、私のワイシャツにだけ蚊がびっちりと付いていた。トラウマ的光景である。 6年ほど前、仕事... -
雷雨の龍王峡
休日の午後。急きょ東北道を北上し、日光道に。 鬼怒川上流の「龍王峡」を思いつきで訪れた。 温泉街を抜けてたどり着いた渓谷は絶景だった。 あいにくの雷模様で小雨が降っていたので、滞在時間は短かったが、快晴時とは違った荘厳な雰囲気がある。 暑い... -
旅と小説と、あの風景。
私は、犬を飼う前は、青春18きっぷを使って全国を旅行するのが趣味でした。 旅先では必ず、1冊の小説を買うことにしていました。現地の駅ビルなどで書店に入り、フィーリングで1冊選びます。別にその土地にかかわるテーマのものを選ぶわけでもなく、本棚で... -
ホタルが照らす記憶──30年ぶりの再会
「ホタルがいるよ」 ホタルを見つけた父親は嬉々として私を呼びに来た。私が3歳くらいのころの話である。 昔、実家の前の草むらにはホタルがいた。 横に田んぼが広がっていたから、そこで繁殖していたのだろうか。 河川から水を引いた田んぼではなくて、給... -
6月なのに暑すぎる!犬連れでも快適に歩ける“森の散歩道”
「どこが6月だ」 毎年、額の汗を拭いながら同じ愚痴を吐いているから、6月とはそもそも暑いものなのだろう。 今年も犬飼いにとってはつらい季節がやって来た。 熱せられたアスファルトを歩かせるわけにもいかず、早朝や夜に散歩に向かう人も多いことだろう...