将来のために今を犠牲にするな 30代になって気づいたこと

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いい高校に行き、いい大学に行き、いい会社に入り、順調に出世し、悠々自適な老後を手に入れる―。

もはやそういう時代でもないのだが、そのような幻想はいまだに根強く社会にはびこっている。現代人には「人生の成功モデル」として、どこか心に刷り込まれているようなところがある。

だから中学生なのに高校・大学受験のことを考えたり、大学に入ったばかりなのに就活のことを考えたりする若者が実に多い。

二度と戻らぬ青春の輝きに気づくこともなく、自らの人生を「成功モデル」に近づけるべく我慢と努力を続ける若者を見ると実にもったいないと嘆息する。

今置かれている環境こそが、取り戻すことのできぬ貴重な時間であろうに。

「将来のことを考えている」と言えば聞こえはよいが、私に言わせれば「今をおろそかにしている」。

常に目線が足元でなく、先にあるのである。

2025年を生きているのに、2035年のことを心配している人のなんと多いこと。2025年にちゃんと集中しろよ、と言いたい。

今をないがしろにしてまで手に入れたい未来って本質的には何なのだろう。安定した暮らし?穏やかな老後?それって、若い時代を犠牲にしてまで手に入れるほどの価値があるのだろうか。

30を過ぎてつくづく思うが、知名度のある大学や会社に入ることで得られる幸せなど、たかが知れている。実にくだらない人生の目標である。

若き日々の「今」を犠牲にしてまで目指すものではないだろう。

そういう意味では、野球が好きで野球漬けの日々を送っているような少年はまぶしい。まさに「今を生きている」。野球は一つの例だ。それがバスケでもいいし、ギターでもいいし、演劇でもいい。もちろん数学が大好きというならそれもいいだろう。

「将来」につながらないようなことに夢中になれることほど尊いものはないと思う。

今やりたいことに夢中になれることが幸せというものなのに、今を犠牲にして努力することを美化する社会とはいったいなんなんだろう。

充実した「今」の積み重ねこそ未来であり、人生だ。

空虚な今を積み重ねた人間に、幸福も充足感もやってくることはない。

外形的には同じところにたどり着いたとしても、積み重ねたものの差は重要である。

行動をしようとすると、足を引っ張ってくる者もいる。時には善意で。

たとえば「家を買う」と言う人がいると、「いずれ家族構成は変わる」「持ち家はかえって損をする」「賃貸のがいい」などとアドバイスをする人が出てくる。

「スノボーやってみようかな」と言えば、「冬しかできないよ」「お金かかりそう」「けがしたらどうするの」。

一事が万事、この調子。分かりもしない将来を持ち出して、「今」の行動を奪う。

叶うだけの経済的ゆとりがあるなら、その時したいことをし、ほしいものを買うのが正解である。

行動してから後悔するのも俯瞰してみれば人生経験であり、生涯を彩るエッセンスではないか。

それなのに、あやふやな「将来」を持ち出され、結局動かず足踏みをする人のなんと多いことだろう。

そうして行動力を奪われ、家と職場を往復するだけの悲しき中年が量産されていくわけである。

そういえば、本当かウソか知らないが、日本では3人に1人が離婚をするとよく聞く。多くの人間に将来を見通す能力がない証左でもあるが、そんなことが言いたいのではない。

結婚は失敗に終わるリスクの高い決断なのに、止める者はあまりいない。むしろ無条件で祝福される。なぜだろう。

それは結婚が「人生の成功モデル」に組み込まれているからである。

失敗に終わるリスクを無視してでも、実現を図るべき事項だと社会が認識しているのだ。

それ自体はいいことだ。失敗のリスクを甘受して、今選びたい道を行くのだ。

重要は結婚以外の決断においても、そのような態度を持つことである。

行動の結果、それが好ましくない終わりを見るに至ったとしても、それは人生を彩る要素と心得よ。

今を楽しめない人間は、10年後の今も楽しめない。

当たり前だが、「10年後」は10年たったら「今」になる。

「将来のために今我慢する」というのは、言い換えれば幸せになることの先送り。未来の自分に押し付けているようなものである。

しかし、今を楽しむ能力が欠如したままの人間が、10年たってどうやって幸せになるというのだ。

なれるはずがない。

今行動し、きちんと今を生きねばならないのだ。

おわり

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この記事を書いた人

トイプードルと暮らしています。日常の思い出をつづります。

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