
「飲みすぎちゃうか~」
犬の忠告に耳を貸さず、今日も今日とて酒に逃げました。
濃いレモンサワーと濃いグレフルサワーを1本ずつ。それぞれ500ml。
アルコール度数は7%なので、まあまあの酒量です。
その上、サワーを1リットル飲み干してもなんだか物足りず、そこからまた焼酎の水割りに手を出すわけです。
実に不健康。
家のごみ袋には、みるみる空き缶がたまっていきます。
「これが努力だったらいいのにな」と思います。
毎日の積み重ねとは、偉大なものです。
◇
会社の産業医と面談し、「お酒の量が心配です」と言われました。
無理もありません。
かつての晩酌の量の2倍は優に超える量を毎日毎日飲んでいるわけで、体に悪いことくらい自分でも分かってはいるのです。
体を壊すのは一瞬ですから、健康診断で肝臓が異常な数字をたたき出すのも、そう遠くない未来であろうことも分かっている。
しかし、そこに逃げざるを得ない。
今、こうしてPCのキーボードをたたいて、ブログを更新している瞬間も、体内に酒を注いでいるわけです。
◇
しかし、不思議なもので、酔っている感覚が薄い。
普通はアルコール7%の酎ハイをグビグビっと喉に注げば、フワーと酔いが回り、気持ちよくなるものなのです。
しかし一向に酔わない。
まあ、厳密に言えば、苦しさを紛らわせる程度の効能はあるのだが、ポワ~ととろけるような酔いが体を巡らない。
それなら寝ればいいものを、私は往生際悪く、また次の酒を口へ運ぶのであった。
◇
お母さんに会いたい。
結局またここに戻るのです。
毎日が実に虚しい。
日常に黒いインクを溶かしたような、あるいは日常にモノクロのフィルターをかけたような、そんな毎日。
かつては目を奪われたものに、まったくときめかない。
写真撮影が趣味だったのに、この世に撮りたい被写体がないような気持ち。
だから、7月に20万円近く出して新調したカメラも、触る気にならず、物置代わりの部屋に放り投げたままです。
◇
お母さんが作った豚汁が食べたい。
具沢山で、野菜にも味がよく染みていた。
ご丁寧に七味まで出してくれて、おにぎりと漬物までセットだった。
私は随分と甘やかされていたのだなあ。
お母さんが生きていたころに、豚汁のレシピは教えてもらって、今でも控えてある。
でも、どういうわけか、同じ味にならない。
何より「いっぱい食べな」と、自分の腹を心配してくれる唯一の人がいなくなった喪失感。
◇
結局、1万円の高級料理より、お母さんのおにぎりと豚汁なんですね。
「食べな」と言われ、頬張ることの、なんと幸せなことよ。
二度と食えないあの味に、空いた腹を鳴らし、また酒を流し込む。
ちっとも酔えない。
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