田舎者の葛藤

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前にも書いたとおり、僕は田舎者である。

高校時代は、田んぼしかない通学路の風景を眺めては東京を夢見た。

18歳で上京して、大学時代は御茶ノ水で過ごした。過ごしたといっても、さぼってばかりでほとんど行かなかったのだけど。

今は何の因果か八王子に住んでいる。場所は南大沢。車で10分も走れば神奈川県相模原市に入る、東京の端っこである。

10代の僕が憧れた東京とは違うけど、とても気に入っている。

特に好きなのは、このブログに何度も登場している長池公園。

美しい。

しかも、雑木林もあって、里山を再現した田園もある。

今の季節は木々が色づく。鳥がぴいぴいと鳴いて、それを風にざわめく木々がかき消していくの。

管理された自然だけど、ここには確実に一つの生態系みたいなものがあって、生命力がある。

だから木を見上げて深呼吸するだけで、脳みそが浄化されるような気がする。

まあ、こんな場所に今住んでいる。

結構、ニュータウン通り沿いには飲食店も多いし、少し行けば商業施設も充実している。新宿までは40分くらいかかるけど、まあ十分だ。

田舎者でも十分に適応できる便利な「トカイナカ」。

こんなに満足しているのに、そこには地方出身者の葛藤もあるのです。

僕の田舎はこんな感じ。

どこまでも広がる田園風景が恋しい。

もちろん、地方の田園風景も人の手で作られたものではあるのだけど。

小学生のころ、ここにはサワガニがいた。石を動かせばほとんど必ずカニがいて、トレーにどっさり載るほどだった。

今は水量が増えたのか、かつてカニをとった岸辺はなくなってしまったのだけど。

地方出身者は共感してくれるだろうか。

離れたかったはずの場所なのに、なぜか切り取って保存しておきたいような場所があることに気づかされる。

でも、遠きにありて愛せるのなら、それも悪くないのかもしれない。

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この記事を書いた人

八王子でトイプードルと暮らしています。日常の思い出をつづります。

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