ライオンは百獣の王だと聞かされてきた。だから私の中では長らくライオンはトラよりも強い生き物という認識だった。
しかし、あらためて調べてみると、ライオンとトラは生息域がかなり異なる。現在、ライオンは主にサハラ以南のアフリカに生息し、北アフリカやアジアではほぼ絶滅している。
一方、トラの生息地はというと、南アジアやロシア東部である。余談だが、かつては朝鮮半島にもトラがいたらしい。実にロマンを感じる。
しかも、ライオンは草原地帯に住み、トラは密林に住むから生活環境までまるで違う。
だから、ライオンが北上し、トラが西進して中東で衝突するようなことでもない限り、ライオンとトラの直接対決は起こらないわけだ。
ちなみにインドは、ライオンとトラが生息する唯一の地域ではあるが、自然下で遭遇する可能性はほぼ0%のようである。
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それはそれとして、仮に戦った場合には、どちらが強いのか。これは多くの人が一度は想像したことがある夢の戦いである。
そこでライオンとトラのスペックを比較してみることにした。断っておくが、このブログはド素人が思いつきで乱文を披露しているにすぎず、専門性や正確性は担保されない。
ここで比較するトラの種類はアムールトラとベンガルトラとした。ライオンは東武動物公園をサイトを、アムールトラは釧路市のサイトを、ベンガルトラは那須サファリパークのサイトを参考にした。
体長 | 体重 | |
ライオン | 140-250cm | 120-225kg |
アムールトラ | 240-330cm | 100-300kg |
ベンガルトラ | 240-310cm | 170-260kg |
これを見る限りでは、体格上はトラが優位にあるようだ。
トラの短い足は森林で身を低くして獲物に近づくのに適している。筋肉質な前足に付いた鋭い爪は釣り針のように曲がり、押さえつけた獲物にかみつくのである。後ろ足はやや長く、5mほどジャンプすることもできるなど跳躍力にも優れている。
また、トラは単独で行動するため、各個体の能力も高いと推察される。
一方、ライオンは集団で狩りを行う。しかも主にメスが狩りを担い、オスはあまり狩りには参加しないともいわれる。それでいて獲物は最初に食い、一日のほとんどを寝そべって暮らす。まるでヒモである。(ただし、オスが狩りに参加しないという説を見直す動きもあるようである)
逆に言えば、ライオンはネコ科の動物で唯一群れ(プライドと呼ばれる)を作るので、それがライオン固有の強みでもあるのだ。
カバなどを捕食することもあり、ライオンはアフリカのサバンナでは生態系の頂点に君臨しているともいえるが、やはり総合的にみると集団戦に強い生き物のようである。
ちなみに走る力はライオンがやや優勢、あるいは同程度らしい。しかしいずれも短距離型で持久力はない。
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ライオンを百獣の王と信じてきた私だが、実際に戦いとなればトラが優勢のようである。
しかし、ライオンには一つトラにはない絶対的な強みがある。たてがみである。
色が濃いたてがみは強いオスの証であるそうだが、あれは最大の急所である首を守る効果もあると考えられる。
実際にライオンとトラの戦いとなれば、一瞬のスキを突いた急所への攻撃が生死を分けるのだ。
この「防具」がまさに首の皮一枚をつなぐことになるかもしれない。
おわり
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