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「消えたリプライを探しています」
私は、見たはずの文章にアクセスできなくなると、頭をかきむしりたくなる。 「ウオオオオ。あの文章をもう一度、完全な形で読みたい」と。 それは小説であれ、個人のブログであれ、Twitterの投稿であれ、同じである。 見たはずのツイートが削除されようも... -
居心地が悪い、どこもかしこも
一歩外に出ると、自分がここにいていいのか、いつも確証が持てない。 たとえば知人5人でいるとき、「自分以外の4人で話したいのではないか」という卑屈な考えが頭の中を埋め尽くし、なんとなくその場を離れてしまう。 仮に私が立ち去った後に、私の悪口で... -
わが古里
川を訪れた。 古里の川を。 幼いころから魚を追いかけた、関東随一の清流である。 いつ来ても美しい場所だ。 犬も一緒。 前回ここを訪れたのは3月の終わり、いや4月の頭だった。その頃はちょうどソメイヨシノが花を咲かせ始めたころだった。 およそ半年ぶ... -
ずっと“他人”でいましょうよ
最近、私は街の公園に出没している。 芝生の広場があるだけの小さな公園には、犬連れの人たちが集い、私も毎日その輪に解けこんでいる。 とっても居心地がいい。 毎日顔を合わせるのに、名前も職業も住所も知らない人たち。 親しい他人というのはとっても... -
30年の友情が終わった日
タイトルの通り、30年を超える付き合いがあった友人と絶縁した。 この友人を仮に宏之としよう。 宏之とは幼稚園の年少で出会い、34歳まで交流が続いた。 小・中学校は同じ野球部で、会えば当時の思い出話は尽きることがない。 高校からは別だったが付き合... -
人生は絶縁の繰り返し
能動的であるかどうかはさておき、人生は絶縁の繰り返しだと思うようになりました。 今日笑いあった人と、もう二度と会うこともないかもしれないのです。 携帯電話やスマホの登場でそういう感覚が薄くなりましたが、本質的にはそうなのだと思います。 ◇ 今... -
秋の風と暮らし
最近、引っ越した。 4階のベランダからは小川が見える。 水は透き通り、川底では水草が揺れている。 せせらぎを聞きながら、私はベランダに洗濯物を干す。 タオルやシャツを手に取り、パンパンと音を立てて伸ばし、竿にかけていく。 竿に隙間なくピッシリ... -
毎日1.5リットルも酒を飲んでいる。だけど酔えない
「飲みすぎちゃうか~」 犬の忠告に耳を貸さず、今日も今日とて酒に逃げました。 濃いレモンサワーと濃いグレフルサワーを1本ずつ。それぞれ500ml。 アルコール度数は7%なので、まあまあの酒量です。 その上、サワーを1リットル飲み干してもなんだか物足... -
ダーク桃太郎(1)
おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。 「なんだい、これは」。目を丸くしたおばあさん。ズボンをまくって川へと入り、バシャバシャと水をかき分け、桃へと近づきます。 おっと、うっかり。 おばあ... -
知らん人で“会話量”を稼いでいる
話す人がいない。 孤独である。 34歳独身。両親はすでにおらず、兄弟もいない。 友人はいるが、おっさん同士で毎日電話をするのも気持ちが悪いし、相手には家庭があったりもする。 仕事はといえば、幸か不幸か在宅ワーク。業務のやり取りを口頭で交わすこ...