変わりゆく川の記憶

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川沿いに続く細い小道。草に縁取られた、どこか懐かしい風景

夏の川は美しい。

透き通った水の中で、水生植物がやさしく揺れている。

殺風景な冬の川は黒々としていて寂しいが、夏の川は澄んでいて生命力に満ちている。

しかし、近隣住民は口をそろえて「昔はもっと透明な川だった」と言う。年々、透明度は低下しているようである。

確かに私が初めて訪れた7年前と比較しても、やや濁りが増したように思われる。

原因ははっきりしない。ただ「上流近くを通る高速道路の雨水がこの川に流入しているそうだ」との噂は耳にした。

裏付けは得られなかったがーーさもありなん、である。

それでも、水は今もなお美しい。太陽の光を反射しながら、静かに、力強く流れていく。

ハヤだろうか。時折、魚のうろこがキラリと光り、水流に逆らうかのように泳ぐ姿が見える。

護岸工事が施されていない、自然のままの川。対岸には雑木が茂り、タヌキも生息している。

しかし、この川にも工事の予定があるという。流下能力を高めるために川幅を広げるほか、護岸工事なども予定されているらしい。

この川がコンクリートで固められることなどあってはならない。

しかしこの国は、この県は貴重な原風景をいくつも破壊してきた「実績」がある。

破壊されようとしている風景を前に、ただただ立ち尽くす無力な私である。

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この記事を書いた人

トイプードルと暮らしています。日常の思い出をつづります。

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