栃木・那須塩原にある「スッカン沢」に行ってきました。高原山のカルデラ跡を水源とする透明度の高い沢です。ここを流れる水は鉱物や炭酸などの火山成分を多く含むため、辛くて飲めない「酢辛い沢」と呼ばれていました。それが訛り「スッカン沢」の名が定着したとされています。
沢沿いに整備された遊歩道を進みます。
こちらは「仁三郎の滝」。滝を見つけた人物の名から取った名です。別名は舞姫滝。スカートをまとった乙女のように見えることが由来とのことです。仁三郎と舞姫。滝だけに、かなり落差のある名称といえます。
この青白い水の流れこそが「スッカンブルー」なのでありましょう。関東地方に残された貴重な渓谷美。激しく打ち付ける水の音が周囲に響きます。真夏でありながら、気持ちの悪い湿気は感じません。
しばらく行くと、対岸の岸壁からは、水が糸のように滴り落ちていました。まるで天然のすだれのようです。
見回せば、あちこちに同じような光景が広がっています。まさに自然が「織りなす」風景。
案内板によると、何万年も前に噴火した山から溶岩が流れ出し、その後時間をかけて浸食されることによって作り出された光景であるそうです。つまり、溶岩が固まった場所を水が少しずつ削っていったという理解になるでしょうか。
岩肌を滑り落ち、窪みにたまった水の美しさ。まるで何か塗料でも溶かしたかのような鮮やかな青色ですが、人工物ではこの色を再現することなどできないでしょう。比喩とは難しいものです。
歩道を進むことができたのは「スッカン橋」まで。この橋からの光景が上の写真です。荒々しい岩を縫うように、いくつもの段を激しく駆け下りてくる水の光景に圧倒されます。この格別の美しさから「段違い」という言葉は生まれたのでしょうか。
ちなみに小夏も連れて行きました。
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