現在、私はフルリモートで仕事をしている。実に快適であるが、ずっと室内なので体はなまるし、どうも仕事と私生活の住み分けが難しい。
そこで最近、昼の休憩1時間を使って、近所の山を歩くことにしている。無論、犬も連れて。
山までの移動に片道15分かかるので、山を歩いている時間は25分程度なのだが、これもちょうどいい時間なのだ。ぜひ、同じような境遇にある人には真似してもらいたいと思い、ブログの筆をとった次第である。
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こちらが実際の風景。

すばらしい。先ほどまで殺風景な自宅のデスクで、PCをにらみながらカチャカチャとキーボードをたたいていたというのに。落ち葉をバリバリ踏みながら歩く山道は気持ちがよい。思わず、通りすがりの人に「こんにちは、はっはっは」などとあいさつしてしまう。

おお、これはオオイヌノフグリではないか。
思えば幼いころはよく地面に触れたものである。しかし、成長するにつれ、自転車に乗るようになり、バスや電車に乗るようになり、自家用車を手にするようになり、だんだん地面と縁遠くなってしまった。
こうした野花とのふれあいも、山散歩の魅力だ。

わずか5分ほど歩いただけなのに、先ほどまで過ごしていた世界が眼下に広がる。ここでハーーーとため息を一つついて、背伸びするだけでも来るかいがあるというものだ。
葉を持たぬ冬の木々は、遠くに広がる田園や住宅を見せてくれる。いい風景だ。
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なにより、犬にとっても、かなりリフレッシュできる時間になっているようだ。
フルリモートで一日中飼い主がそばにいるとはいえど、せっかくの晴れた昼間に、家の中にずっといては犬は面白くないだろう。この休憩の1時間をうまく使って連れ出してあげることが重要だ。
家の近所でもよいのだが、アスファルトの道路を歩くというのも味気ないし、行き交う車がどうもあぶない。

山へと出向き、このように土を、草を、木々を嗅ぐことが犬にとってもストレス解消になるに違いない。こうした匂いは家や住宅街にはないのだ。
なんたって犬の嗅覚は、人間の1万倍とも10万倍ともいわれている。日々感じる匂いに多様性をもたらしてあげたい、という私の親心。
思えば、犬の先祖はオオカミだと聞いた。野山で獲物を追いかけていたオオカミ時代の本能が犬には残っているはずだろうから、きっとそういう観点でも山は好きなのだろう。
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山から帰ると、犬はすっきりした表情で、お昼寝タイムへと突入する。

構ってほしくて吠えるようなこともなく、満足げに眠りにつくのである。
人間で例えるなら、少年時代、部活の練習を終えた休日の午後に、自室のベッドで穏やかな眠りについた時のような心地よさではなかろうかと推察している。
思う存分暴れまわり、気持ちのいい疲労感に包まれて寝ているようである。
山歩きは犬にとっても、すごく有益だ。
人間にとってもよいリフレッシュとなり、午後の仕事へ弾みとなるというものだ。
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ただ、こうした山を歩くのは、11月~3月くらいがおすすめだ。夏はあまり快適じゃない。草が茂り、虫が飛び交い、蚊がまとわりつき、汗にまみれる。
だから2月の今は最高の季節だ。
とはいえ、冬の時期とはいえ、傾斜がある山を歩く場合には水を多めに持っていくことも重要である。
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