悪天候の日が好きです。
特に夕立。
遠くの空が黒く染まって、しばらくすると、それまでの夏の暑さを打ち消す冷気が風に乗ってやってくる。白いレースのカーテンをふわふわと大きく揺らします。
これから激しい雨が降る。この、つかの間の数分、ひんやりとした風を楽しむのです。
急いで窓を閉めるのは、野暮です。
私は、この天然の冷風を味わうために生きているようなものです。
小窓から吹き込む風はひゅんひゅんと音を立てます。
テーブルの上のリップクリームが倒れて転がり落ち、冷蔵庫に貼ったごみカレンダーがバサバサと揺れます。
ポツ…ポツポツ…。そこからはあっという間。一瞬で土砂降りです。
屋根から滝が流れ、地面には大小さまざまな「池」ができていきます。
この一時の小さな異常気象に心が落ち着きます。
世界が異常であるなら、私が正常である必要はありません。
たとえバカでもハゲでも貧乏でも、それらはすべて些末なことです。
つかの間の異常気象は、安らぎなのです。


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