ボロボロのジムニー

雑談

今から約9年前。ブラック企業に勤めていたころの話だ。

社有車のジムニーを与えられ、私はその車でさまざまな場所へ移動していた。ジムニーというのは、軽の四駆で、これ自体は人気のある車種なのである。

しかし、そのジムニーは誰が見てもボロボロで、タイヤはつるつるであった。表現は悪いが、途上国に持っていっても貰い手はないであろう、走る廃棄物のようだった。

地元の同業他社さんは「その車は10年前の時点でぼろぼろだった。まだ使ってるのか」と目を剥いていた。

エンジンをかければ、キュルキュルと甲高い音を出し、周囲の会話までかき消す始末。走る公害でもあった。

なにより甲高い音を鳴らしながら、シリアスな現場に現れる滑稽さ。居心地が悪いったらありゃしない。

とはいえ、ジムニーに罪はない。ろくなメンテナンスもせず、耐用年数を超えて酷使する会社の問題である。

忘れもしないのは、とある雨の日。

アーチ状の橋を渡る時、前の車が急ブレーキをかけたのが見えた。

あわてて私もブレーキを踏んだが止まらない。

まるで氷上を滑りゆくかのようであった。

さすがの私も「これが本当のCarリング」などとボケる暇もない。

前の車とは数十メートルの車間距離があったというのに、みるみるその差は縮まる。

もうだめだ、追突する。

覚悟して目をそむけた時、本当に数センチの距離で停車した。

本当につまらない「九死に一生」である。

そのような状況を知ってか知らずか、ほどなくして社有車は買い替えとなり、新車のSUVを与えられた。

せっかくの新車だったが、不幸なことに車線を無視した車に追突され、あっという間に事故車となった。

その上、私がコインパーキングでこすり、さらに傷物になったのである。

あのSUVも今年で納車から10年目。

「10年前からボロボロだった」と言われてはいないかと、申し訳ない思いでいっぱいだ。

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