閻魔様という恐ろしいやつがいる。
こいつは、俺たちの行いをつぶさに見ていて、死後に俺たちを裁くのだ。
「俺は罪など犯していない」と高をくくっている人間が一番あぶない。
我々が今生きている世界で刑事責任が問われないからといって、閻魔様の裁きを受けない保証はない。
例えば、街を歩くお年寄りに舌打ちをしたとする。我々の世界において刑事責任を問われることはない。しかし、閻魔様は「けしからん」と厳しく糾弾するかもしれないではないか。
「罪」の基準が違うのだ。
「気を引き締めて生きねばならんよ!」と俺は啓発をして回っている今日この頃だ。
しかし、そうだとするならば、閻魔様というのは罪刑法定主義を軽んじている。とんでもない野郎である。
我々に守るべき基準や刑罰を示さないまま、独断であまたの人間を裁いているのだ。
もしかすると、「深夜2時にピーナッツを食うとはけしからん」などという難癖をつけて、亡者を地獄に送っているかもしれない。
まったく、許せんやつである。
このような閻魔様は排除し、民主的な法律を定めねばなるまい。
冥界の民主化と法整備を勝手に担っている俺は、いつか死ぬ日を満を持して待ちたいと思っている。
おわり

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